経営の戯言

経営に関する戯言をつらつらと

経営者は"燃え尽きない"ことが重要ではないか

私は今の事業を愛しているし、未だ課題が山積みであり、やることを上げればキリがないと思っている。だからこそ、まだまだ燃え尽きていない。いや、正確に言えば何度か燃え尽きそうになったことはある。それは手に余る報酬を得たときと、「大体わかった」と感じた時だ。ただし、常に前を見た。見続けた。そうすると課題は山積みだった。だから、まだ燃え尽きていない。もっと細かく言えば、組織のフェーズが変わった段階でマインドセットが出来たのだ。プレイヤーから真の経営者の仕事に面白みを感じ取ること、つまり、1つの事業をベースにした拡大期の組織展開に非常に興味を向けることが出来たのだ。

私が起業してから10年近くが経った。その間、数え切れぬほどの同業者が現れ、そして消えていった。いろんな経営者がいた。お世辞無しでイケている経営者、そうじゃない経営者、どちらにも属さない普通の経営者、ほんとうにさまざまだった。どちらかといえば私は後者だ。それに付け加え、私はとても怠惰な生き物である。でも、生き残っているのは私だ。私は半ば無意識でも"燃え尽きない"ことで生き残ることが出来たのだ。

これから起業する人に私がアドバイスするのは「10年単位で続けたいと思える事業に集中すること」だけだ。つまり、自分が燃え尽きない事業に集中することだ。10年経って周りを見回してみれば、気づいたら自分が立っているだけで周りが勝手に消えていくのだから。

組織は経営者の器以上のものにはならない

組織は経営者の器以上のものにはならないし、チームはリーダーの器以上にもならない。それ以上でもそれ以下でもない。だからトップには常に新しいものを見て、聞いて、感じて伸びてもらわなければ困るし、現場に要られても困るし、健康でいてもらわなければ困る。

仕事柄、数多くの経営者やチームを見てきたが、これは疑いようのない真理だ。

サービス業においては、値切るとサービスレベルは必ず低下するという話

・値切る人がいる

・値切って得をしたと勘違いした人がいる

そんな人達に物申したいのだ。世の中には値切って得をするものと、損をするものがあるということを知ってほしい。果物、野菜、雑貨、お土産品、この手の類は物質的な物である。また、購入検討時から購入後に同質の状態の物を納品されるサービス、これは確かに値切ることで得をするのは明白だ。

ただし、マッサージ、デザイン、コンサル、この手の類のサービス業に関しては値切った時点で質が低下することを覚えておくべきだ。値切られて得をしたと思っているのは本人だけである。

嘘だと思うのなら聞いてみるといい。代表的は話でキャバクラや風俗で働く女性たちは本指名で無ければよほどのことがない限りやる気を無くし、仕方なしでサービス提供をしている。自分の取り分が減らされているのだから当たり前だ。

結局のところは人間が提供するサービスは心が入るのだ。心が入るのは人によって大小あれど、最もわかりやすい対価、つまり金銭で図られるのだから。

 

その昔、青い方のCAと合コンをした時に聞いた話なのだが、国際線で純粋にファーストクラス、ビジネスクラスをプロパーにて取得した人は明らかに依怙贔屓されるようだ。その逆に、エコノミーからのバージョンアップで運良くそのサービスを受けている人間で横柄な態度をする人間には明らかに冷たい態度で接するという。勿論、表向きのシャンパンが飲み放題、食事食べたい放題などのサービスレベルは変わらないのだが、心配りや心のなかでの話だ。ひどい場合は軽蔑されるという。

CAは裏側ですべての顧客がどのような経緯で席を取得したのかわかっているのだから当然だ。

 

まとめよう。サービス業においては、値切るとサービスレベルは必ず低下するという話は本当なのだ。心に留めておいて損はない。

 

セコい男だけはやめておけ

会社の女史、女性の友人から「いい人紹介して!」と言われる。彼女たちは知っているのだ。経営者の友達は経営者。これはある程度間違っていない。

ただし、性格がよく、収入も多い、イケてる男、そんなやつぁほぼ余ってはない。そこで、私は「将来に張る以外、まともな金持ちと付き合うことは不可能だよ」、と伝えることにしている。

では、どんな男に張るべきなのか。答えは一つしか無い。「セコくない男」だ。学歴がある、性格がいい、家柄がいい、ポテンシャルがある、イケメン!いろいろあるだろうが、私がこれまで多くの経営者や本当にイケてる男をみてきて言える一つの共通点は、「セコくない男」だ。

「セコくない男」は大成するし、仮に大成しなくてもあなたを大切にしてくれる。それだけでよいではないか。「セコくない男」に張ろう。

Facebookやブログに食べ物や贅沢品をアップする経営者は世の中の流れをわかってない

資本主義の崩壊…

といってしまうと言いすぎかもしれないが、多分、そんなことはない未来が私たちの前には待ち構えている気がして仕方がないのだ。特に、先進国に生きる我々にとってはそれほど遠くない未来であろうと思う。

これが言い過ぎだとしても、ブログやFacebookTwitterInstagramなどを介して容易につながることが出来るようになった昨今では職種や経歴、クラスタに関係なく、その生活を垣間見ることができるようになった。だからこそ、表題通りFacebookやブログに食べ物や贅沢品をアップする経営者は世の中の流れをわかってないといえるだろう。

それについて、英国の理論物理学者スティーブン・ホーキング博士が警鐘を鳴らしている。

「私にとって交流のための技術を使用する可能性は正真正銘の解放となり、私はこれなしに自分の仕事を終えることは決してできないだろう。しかしこれはまた電話を持っている全ての人にとって、最も貧しい人々にとってさえも、最も裕福で、最も成功している人たちの生活を観察することを可能とする」 引用

 的を得ているどころの話ではない。私が昨今感じていた違和感を見事に文章化してくれていた。

人は妬み、恨み、憎悪する生き物だ。それが例え身近な人物に対してでも変わることはない。そしてどの時代も変わらないのだ。であるとするならば、すべてのクラスタがつながることが出来てしまう時代が来たのであれば、自分からそういった情報を上げるのを控えれば良いのだ。世の中の流れは不可逆だ。であるとすれば、自分自身が変われば良い。それだけのことだ。

そう、真っ赤なフェラーリやロングマフラーがかっこいいとされていた時代の終焉だ。

「言わなくても解るよね?」の功罪

「言わなくても解るよね?」

これは魔法の言葉であり、経営者、意思決定者、人を教える人間が最も言ってはいけない言葉の一つだ。

人は"言わなければ解らない"当然だ。当人の生まれ変わりでもあるまいし、生まれた場所、教育、環境が同じ人など皆無に等しいのだからね。

企業が小規模、つまり気の合う仲間の集まった創業期(感覚値だが、2~7人位まで)であればこれはある程度成り立つだろう。阿吽の呼吸というやつかもしれない。ただ、創業者の目が届かなくなった二桁のメンバーが加入しだした頃にこの問題は発芽する。そして、それらのメンバーを否定しだす人間が現れるのもこのころだ。

・だからあいつは…

・学歴がね…

・採用したのだれだよ…

などなど。さまざまな罵詈雑言が飛び交い、新メンバーを否定しだすだろう。

これらは教える側の脳内に「言わなくても解る」=「出来る人」という意味不明かつ、論理破綻している方程式が成り立っているからである。こういう上司がいる企業は危うい。

「言わなくても解る」というのは幻想だ。「言わなくちゃわからない」のが普通なのだ。だからこそ、誰にでもわかる、前提条件をなるべく排除したルールやガイドラインが必要になってくるのだ。

・普通は…

・当たり前…

・一般的には…

・私だったら…

これらの用語を無意識レベルでよく使っていませんか?これこそが企業の危険信号なんだよ。

領収証を切らない上司や社長が男前だって?

領収証を切らない上司が男前だって?

ばかじゃないか。何もわかってない。切らないのではなくて、切れないのだ。もしくは自分の決済の枠を君相手では切ることができない、更に言えば勿体無いのだ。勿体無いから君相手では使わないのだ。

 

領収証を切らない社長が男前だって?

そんなわけないだろ。節税をすることは経営の一部であり、これをおざなりにするのは経営の怠慢だ。ありとあらゆる節税対策を行い、その上で会社に潤沢なキャッシュを残す、もしくは直ぐにキャッシュに変換できるもの(車、保険などが代表例)を取り入れる。何時何時キャッシュが必要になるのかなんて誰にもわからない。その時のためにしっかりと手元に残す。それが経営だ。領収証を切らないのはわけの分からない見栄かただ馬鹿なだけだ。

 

繰り返すが、君は何もわかってない。