「言わなくても解るよね?」の功罪
「言わなくても解るよね?」
これは魔法の言葉であり、経営者、意思決定者、人を教える人間が最も言ってはいけない言葉の一つだ。
人は"言わなければ解らない"当然だ。当人の生まれ変わりでもあるまいし、生まれた場所、教育、環境が同じ人など皆無に等しいのだからね。
企業が小規模、つまり気の合う仲間の集まった創業期(感覚値だが、2~7人位まで)であればこれはある程度成り立つだろう。阿吽の呼吸というやつかもしれない。ただ、創業者の目が届かなくなった二桁のメンバーが加入しだした頃にこの問題は発芽する。そして、それらのメンバーを否定しだす人間が現れるのもこのころだ。
・だからあいつは…
・学歴がね…
・採用したのだれだよ…
などなど。さまざまな罵詈雑言が飛び交い、新メンバーを否定しだすだろう。
これらは教える側の脳内に「言わなくても解る」=「出来る人」という意味不明かつ、論理破綻している方程式が成り立っているからである。こういう上司がいる企業は危うい。
「言わなくても解る」というのは幻想だ。「言わなくちゃわからない」のが普通なのだ。だからこそ、誰にでもわかる、前提条件をなるべく排除したルールやガイドラインが必要になってくるのだ。
・普通は…
・当たり前…
・一般的には…
・私だったら…
これらの用語を無意識レベルでよく使っていませんか?これこそが企業の危険信号なんだよ。